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漢文脈からみる法学~はじめに

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  • 2021/03/19

最近の判決書など裁判関係書類、法律専門書、法律論文は、いわゆる現代文、口語文によって書かれている。

基本法律である憲法・刑法・刑事訴訟法・民法・商法・民事訴訟法が現代語化され、カタカナ語からひらがな文にされた。

法律文書を書くときには、難しい漢字をなるべく使わず、読みやすくわかりやすい日本語を使って文章を書くよう求められている。

そうした流行の中にある法律専門職登用試験である司法試験の論文試験でも、法律知識もさることながら、法律専門家として読みやすくわかりやすい文章を書ける能力を試されているといえる。

 

しかしながら、法律も、判決書など裁判関係書類も、専門書も、論文もすべて漢文調であった。

公文書の表記を改善しようとする動きは、太平洋戦争後に日本国憲法成立の過程において始まり、「公用文作成の要領」(昭和27年4月4日内閣甲第16号)という通達以後本格的に動き始めている。戦後、裁判所における判決書などは現代語化され、

 

当職が法学部に入った平成12年時でも、刑法が現代語化と話題に残っていたほどであり、法律はまだまだカタカナ語、文語文であった。佐藤幸治憲法のように、法律文書を読み解こうとしているのか、古文の教科書を読もうとしているのか分からないような難解な基本書もあふれていた。

高校時代の古文漢文の知識を引っ張り出しながら、読み進めていったような記憶がある。

大学入試に漢文があるのは、センター試験、関西でいくと、京都大学、関西大学にしかない。ちなみに、同志社大学の入試には漢文がでない。あんなに新島襄の寒梅の詩をほこっているにもかかわらずである。閑話休題。

 

漢文脈、漢文調の法律文書の読み方という観点から、振り返ってみようとするものである。

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